【特集】Panteraが注目する仮想通貨のトレンド

ソーシャルおよび消費者向けのユースケース

Web2がソーシャルからファイナンスへ進化したように、Web3はファイナンスからソーシャルへと移行しています。Friend.techやオンチェーンのロイヤリティなど、最近ではWeb3の社会的要素に注目が集まっており、トークン化を通じて社会的な行動を変革しようとする取り組みが増えています。消費者のトランザクションがオンチェーンでより頻繁に行われることで、DeFiとTradFiのユースケースの間でのオンランプやオフランプの解決策として、ステーブルコインがますます重要な役割を果たすと考えています。また、生成型AIの最近の進展により、より抽象化された、個別化された、簡素化されたユーザーエクスペリエンスが可能になるかもしれません。AIによる抽象化の増加により、Web3へのユーザーオンボーディングや教育上のハードルが低下し、非技術的なバックグラウンドを持つ人々にもブロックチェーンデータがよりアクセスしやすくなることを期待しています。

ZK-Enabledモジュラリティとコンポーザビリティ

私たちは、ゼロ知識証明（ZKP）がさらに進化し続け、再帰的な証明の新しい理論的な進展とともに、企業が特定の役割（共同処理、証明の実行、zkDevOps、プライバシーレイヤーなど）においてこの領域で専門化していくことを期待しています。これにより、モジュラ型テックスタックの異なるレイヤー（コンセンサス、実行、データ可用性など）の間で共通のインターフェースを確立する手段として、ZKPを利用しています。モジュラリティでは、ブロックチェーンスタックの異なるレイヤーを異なるプロバイダーが運営するという考え方があります。このアイデアにより、レゴのような「プラグアンドプレイ」のブロックチェーンアーキテクチャを実現できます。これにより、プロジェクトは、ユーザー向けアプリケーションの特定の要求に応じてブロックチェーンテックスタックをカスタマイズすることができます。さらに、Rustなどの汎用言語を使用したスマートコントラクトのコンポジション能力の向上により、Web3開発者の参入障壁が低下することが可能となります。

ビットコインエコシステム

私たちは、今後の1年程度においても注目すべき第三の領域として、ビットコインエコシステム全体を挙げます。2024年の予想されるハーフィングを前に、ビッグファイナンスのファンドがETFのSEC承認を受ける可能性や、よりコンポーザビリティのあるスマートコントラクトを可能にするモジュラ化されたビットコインブロックチェーンなど、多くの関心が集まっています。また、Ordinalsのようなテクノロジーを活用したビットコインデジタルアセットの台頭も最も興味深いイノベーションの一つと言えるでしょう。これにより、イーサリアムのNFTはトランザクションユーティリティに焦点を当てる一方で、ビットコインのNFTはチェーンの文化的意義から、アートやファッション、メディアのための「デジタルジュエリー」やコレクターアイテムとして進化する可能性があります。