【特集】ファーウェイのOceanStor A310： AIモデルトレーニングの課題に対処

大規模AIモデル応用における課題

ファーウェイはGITEX GLOBAL 2023で、最新の人工知能（AI）ストレージモデル「OceanStor A310」を発表した。このソリューションは、大規模なAIモデル・アプリケーションに関して業界が直面する課題に取り組むために設計されている。OceanStor A310は、基本的なモデルトレーニング、産業モデルのトレーニング、セグメント化されたモデルにおける推論など、様々なAIシナリオに対応するストレージソリューションを提供します。

AI向けデータ処理の高速化

ファーウェイのOceanStor A310は、AIアプリケーションのデータ処理を高速化する能力で際立っている。IBMのESS 3500を凌駕し、Nvidia GPUにラックユニットあたり約4倍高速なデータ供給を提供する。NvidiaのMagnum GPU Directを利用することで、OceanStor A310はストレージ・ホスト・システムを介さずに、NVMeストレージ・リソースからGPUへの直接的なデータ転送を可能にする。

印象的なパフォーマンスとメカニズム

OceanStor A310のシーケンシャルリード帯域幅は最大400GBps、ライト帯域幅は208GBpsである。しかし、オープンソースやクローズドソースのフレームワークがこの数値に与える影響はまだ不明である。このストレージ・ソリューションは、ディープラーニング・データレイクとして設計されており、無制限の水平スケーラビリティと混合ワークロードに対する高いパフォーマンスを提供する。最大96台のNVMe SSD、プロセッサー、メモリーキャッシュをサポートできるため、ユーザーは複数のA310ユニットをクラスタリングしてパフォーマンスを向上させ、グローバル・ファイルシステムを共有することができる。

可能性と課題

OceanStor A310の導入は、AI業界がデータストレージと処理のための効率的なソリューションを求めている時期に行われた。ファーウェイのAIストレージへの参入は、こうした課題に対処し、業界内のイノベーションと効率化を推進することを目的としている。しかし、同社のAI市場におけるプレゼンスは、国家安全保障に関する懸念による米国の制裁によって複雑なものとなっている。こうした課題にもかかわらず、OceanStor A310はAIモデルのトレーニングに革命をもたらし、この分野の進歩に貢献する可能性を秘めている。