【特集】カナダ中央銀行、分散型金融（DeFi）に関するスタッフノートを公開

DeFiの概要とアーキテクチャ

カナダ中央銀行は、2021年10月17日に発表したスタッフノートにおいて、DeFiの人気について評価し、その利用に関連する課題やリスクを評価した。DeFiは、Ethereumブロックチェーンをベース（または決済）層とした多層構造であり、トークン化、貸借サービスなどのツールやサービスがメインのブロックチェーンの上に構築されていることを説明している。

DeFiが金融システムを変革する可能性

スタッフノートは、2020年に始まり、その後数年間にわたって数十億ドル規模の取引量を持つまでに成長したDeFiエコシステムの人気の上昇について言及している。しかし、2022年には、Terra-Lunaを含むDeFiに関連する重要な暗号通貨プラットフォームの破綻により、その人気が低下した。

DeFiが金融システムにもたらす変革と課題

スタッフノートでは、DeFiの主要な特徴である「コンポーザビリティ」について称賛している。これにより、エコシステム内のアプリやサービスが相互に接続されることが可能となるという。また、DeFiが金融システムを変革する可能性のある3つの主要な分野についても言及しており、摩擦の少ない金融サービス提供、オープンな競争環境の創出、透明性の向上を強調している。

DeFiエコシステムの課題とリスク

スタッフノートは、DeFiエコシステムには課題とリスクが存在すると指摘している。現実世界のトークン化の不足、エコシステム内の相互接続の高い集中度、非規制の中央集権金融エコシステムへの依存などが課題として挙げられている。また、DeFiエコシステムが抱える規制上の課題と、ハッキングや悪用が増加している脆弱性についても言及している。

DeFiエコシステムにおける規制と脅威の増加

スタッフノートは、「公開ブロックチェーンの匿名性と国境を越える性質は、規制の監督を複雑化させる」と主張し、DeFiエコシステムにおける規制上の課題についても強調している。また、暗号通貨関連の犯罪に対するアメリカの執行機関の取り組みについても触れられている。