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【特集】TetherのCTOがCEOに昇進、テザーステーブルコイン事業に加え新たな展開へ
TetherのCTO、Paolo Ardoino氏がCEOに昇進
Tetherは、長期間にわたりCTOを務めてきたPaolo Ardoino氏をCEOに昇進させると発表しました。Ardoino氏は12月に新しい役職に就き、Jean-Louis van der Velde氏に代わります。なお、Velde氏はTetherの姉妹会社である仮想通貨取引所BitfinexのCEOとしての職務を継続します。同時に、Ardoino氏はBitfinexのCTOとして、そしてBitfinex、Tether、Hypercoreが支援するピア・ツー・ピアのアプリケーション開発プラットフォームであるHolepunchのCSOも兼任します。
Tetherの技術部門の責任も引き続き担当
Tetherの広報担当者によれば、Ardoino氏は当面の間、Tetherの技術部門の責任も引き続き担当するとのことです。Ardoino氏は2014年にBitfinexに参加し、2017年にTetherに加わりました。
Tetherの新たな展開:ピア・ツー・ピア、エネルギー、ビットコインマイニング
Tetherは過去1年間に新たな事業領域に進出しています。2022年6月、TetherのHolepunchは「Keet」というピア・ツー・ピアの暗号化ビデオ通話アプリをリリースしました。Ardoino氏によれば、HolepunchとKeetの開発には5年を費やし、約1,000万ドルを投資しており、将来的にはさらに5,000万ドルから1億ドルを投資する意向もあると述べています。
また、エネルギーに焦点を当てた事業については、Tetherは今年5月にウルグアイで地元のライセンスを持つ企業と提携し、エネルギー生産およびビットコインマイニングに参入しました。さらに、Tetherは6月にはMax Keiser氏のスタートアップ企業であるVolcano Energyを支援し、エルサルバドルにビットコインマイニングファームを建設しました。Ardoino氏によれば、TetherはVolcano Energyの最初のラウンドに2億5000万ドルを投資しました。Volcano Energyの目標は、1,000万ドルを調達してマイニングオペレーションを行うことでした。さらに、Ardoino氏は8月にはTether Energyを立ち上げ、世界中の地元企業とパートナーシップを築き、再生可能エネルギー生産およびビットコインマイニングサイトの構築・拡大を支援することを発表しました。
Tetherの新たな展望:金融技術とリアルタイム資産のプラットフォーム
Ardoino氏は、Tetherは今後もUSDTステーブルコインの成長に注力する一方で、新たな展望も広げていくと述べました。具体的には、「TetherはTetherが金融技術を構築する経験を活かし、リアルワールドアセットに焦点を当てた新しいプラットフォームを近々発表する」と語っています。
Tetherは2023年第2四半期に8500万ドルの純利益を報告しましたが、前期に報告された15億ドルに比べると大幅に減少しています。USDTステーブルコインは市場最大規模であり、The Blockのデータダッシュボードによれば、約830億ドルのトークン供給量を持つとされています。